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世界遺産・屋久島産の、栄養素に富む「春ウコン」を使った、芋焼酎ベースの個性派リキュール。原料と芋の味わいが見事に調和する一本は、爽快さとほろ苦さがクセになる。
リキュール 芳香 芋焼酎
「雨の島」として知られる全国屈指の雨量地帯に位置する世界遺産・屋久島には「月に35日雨が降る」のだという、小説家の言葉が残っている。それほどに豊かに降り注ぐ雨は、たっぷりと大地を潤し、屋久島の森と生き物たち、すべての命を、太古の時代から脈々と育んできた。
命が目覚めだす春、そんな理由もあって潤う田畑には、季節の喜びをうたうように、うす紅色の美しい花が次々と顔を出す。蓮の花にも似た小さな立ち姿のそれは「春ウコン」の花である。かつては、沖縄諸島と奄美地方にしか存在しなかった春ウコン、レモン色の鮮やかな根茎は優れた長寿薬として、琉球王国の時代、砂金の価値と肩を並べるほどの珍品だったそうだ。ミネラルや鉄、食物繊維などをはじめ、実に多くの栄養素を含んでいる春ウコンは、ありがたいことに現代では屋久島の特産品として、姶良市では“とあるリキュール”となって、庶民の手にも届く存在になってくれた。
とあるリキュールとは「南国春ウコンリキュール」のことだ。リキュールを造ったのは、鹿児島県姶良市のリキュール製造メーカー「南国酒蔵88」の代表・北原直樹さんだ。北原さんは鹿児島県内の酒造で14年間、そのうちの8年間を杜氏として務め、2019年に独立した蔵人。圧倒的なオリジナリティを持つリキュール造りを目指して、酒蔵を自力で立ち上げた人である。酒造りへの情熱に加えて、自ら「鹿児島が大好き」なのだと語ってくれるほど、地元への愛にも満ちる北原さんが造り出すリキュールは、鹿児島県産の素材にとことんこだわった、唯一無二のものとなっている。これまでに春ウコンのほか、甘みと風味に富む特産のタンカン、県産の赤しそなど、鹿児島ならではの味と香りをリキュールに込めてきた。
なかでもおすすめだという「南国春ウコンリキュール」は、芋焼酎をベースに2か月間、春ウコンを漬け込んだ一本。エキスがすぐに出るウコンは、理想のほろ苦さにとどめるため、毎日テイスティングしながら仕上げるのだそうだ。
焼酎をベースにしたリキュールではよく、米焼酎や麦焼酎など、比較的クセが少ない焼酎を使うことが多いなかで、北原さんがあえてセレクトしたのは鹿児島の芋焼酎。芋焼酎をベースにしたリキュールでは、独特のほろ苦さと清涼感がある春ウコンの味わいに加えて、負けずに芋焼酎の味わいも、きちんと主張されている。原料と芋による味と香りを、どちらもバランスよく調和させたリキュールは、薬草系のリキュールにも似たほろ苦さと、さわやかですっきりとしたテイストが特徴的だ。飲み方は、7(リキュール): 3(割り材)の割合で、水割りかソーダ割りにするのがおすすめ。地元では香りと甘みが広がるお湯割りに、地鶏の刺身や焼き鳥を添えて晩酌を楽しむ人が多いそうだ。現時点では、県外に出荷することがまだ少ないというリキュールだが、地元の郷土料理店やこだわりの酒店から、とりわけ取り寄せの声がかかっている。北原さんの鹿児島への愛情に、きっと共感しているのだろう。